ホテル事業、旅行事業は統合された
2001年から2004年まで阪神タイガースの球団社長を務めた野崎勝義氏はこう言う。
「今回の株主総会では宝塚歌劇問題が注目されましたが、これまでは阪神タイガースについて質問が集まっていました。関西財界の集まりでも、阪急の会長より阪神の会長のほうがマスコミに囲まれた。阪急にすれば腹立たしかったことでしょう。
いまや甲子園球場と阪神タイガースは、阪急阪神HDにとって重要な収入源になっている。経営統合前の阪神は価格を安くして多くのファンに来てもらおうとする意識がありましたが、今の阪急阪神HDは儲けを重視するため、球団側も年間予約席の価格をどんどん上げに動かないといけないという事情があるようです」
統合後もタクシーやバス事業のように阪急、阪神がそれぞれのブランドで営業を続ける業種もある。阪神タイガースもそのひとつだ。野崎氏が続ける。
「一緒になったほうが得か、別会社のほうがやりやすいかを判断しているということでしょう。ホテル事業は一気にくっつけてしまった。旅行部門も阪急は低料金で大型ツアーを中心にやっていたが、阪神はスケールが小さい分、中身が濃かった。企業や富裕層を顧客に掴んでいて、統合前には阪急電鉄の役員も阪神の旅行部門を利用していたほどでしたが、統合されてしまった。いずれ、阪神タイガースもホテル事業や旅行事業と同じ道をたどることになると思います」(前出・野崎氏)
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