ホットシェフの奥には本格的な調理場を併設
国内市場規模12兆円超の巨大なコンビニ業界。国内にある約5万7000店舗のうち、9割を大手3社(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン)が占める。都道府県別の店舗数シェア1~3位も大手3社で入れ替わり競い合っているが、コンビニ研究家の田矢信二氏は「全国で唯一、その常識が通用しない地域がある」と話す。
「北海道だけは、地元のローカルコンビニ『セイコーマート』、通称・セコマが店舗数トップを維持し続けています。全店舗の9割にあたる1093店舗を道内に展開するセコマに対し、2位のセブン-イレブンは994店舗と肉薄しているものの、大手3社はまだ一度もセコマの牙城を崩せていません」(田矢氏)
業界の常識が通用しない「北の最強コンビニ」
道内ではごく身近なコンビニのセコマだが、道外には茨城・埼玉の関東2県に計98店舗があるのみ。全国的には馴染みの薄い存在だ。
しかし、その歴史は古く、1971年オープンの1号店『セイコーマートはぎなか店』(札幌市)は「日本最古のコンビニ」にあたる。元『月刊コンビニ』編集長で札幌市出身の流通ジャーナリスト・梅澤聡氏が解説する。
「セブン-イレブンをはじめ、いまなお営業中の国内コンビニ各社のなかで、最も早く開店したのは実はセイコーマートです。創業者であり、当時は食品卸会社の社員だった赤尾昭彦氏は1960年代後半に流通先進国のアメリカへ渡り、中小小売店の生き残りをかけたビジネスモデルとして本場のコンビニチェーンストア理論を研究しました。帰国後、道内各地の取引先の酒販店や食料品店を説得してまわり、いちはやく本格的なコンビニチェーンへと業態転換させたのが、セイコーマートのはじまりです」
そうした創業者の“先見の明”もあり、セコマは50年以上にわたる歴史のなかで、単なる顧客を超えた“セコマファン”も生み出してきた。道内だけでなく、熱狂的ファンは全国にも広まっており、Facebook上には非公式ながら6000名を超えるファンコミュニティも存在する。