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「学童じゃないんですけど…」生徒の親に振り回される学習塾講師の気苦労 お菓子をめぐってママバトル、送迎待ちで余計な残業

送り迎えのしわ寄せが…

 親が、自分や家庭でのライフスタイルを塾に押し付けてくることもある。須藤さん(仮名)が勤務塾では、「送迎」によって塾講師にしわ寄せが来ている。

「塾終わりには、車で子供を迎えに来る親も多いです。授業が終わるのが20時で、子供たちも大体20時過ぎに帰宅します。塾の営業時間は基本的に21時なのですが、生徒の親の仕事次第ではそれを過ぎることもザラにあります。

 当然、子供は親が来るまで待機することになります。以前『20時を超えて子供が待つ場所がない』とクレームが来たことがあり、夜道に放り出すわけにもいかないので、営業時間が過ぎていても最後の子供を帰すまで講師が残るようになった。つまり、余計な残業が発生しているんです。

 こちらとしては、塾は勉強をする場所なのに、なぜ学童や保育園のようなことをしなければならないのかという思いが拭えない。親が急いで迎えに来る姿勢を見せるならまだいいのですが、親は親で『子供を保護するのは塾の仕事で、当たり前』といった態度で、悠然とやって来ます。そうした態度にはうんざりさせられます」

 ちなみに須藤さんによれば、塾の前で授業を終わるのを待つ親側の待機も問題になったことがあるのだとか。

「車で迎えに来て、子供を待つ間は車を停めたまま狭い路地や近くの公園で親同士が集まって世間話をするのが慣習になっていた時期がありました。近所の住民からの苦情でそれを知り、保護者には静かに待ってほしいというお願いを出しました」

 教員の負担が話題になるが、塾も授業以外のところで現場が疲弊するシーンがあるようだ。(了)

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