パリで開幕した4年に一度のオリンピック。メダルを懸けたアスリートたちの激しい戦いに注目されがちだが、実はオリンピックは投資のチャンスでもある。
五輪のスポンサー企業にとって露出が大きく増える機会になるだけでなく、代表選手の活躍に刺激を受けて消費が拡大し、関連銘柄の株価上昇などが期待されるためだ。こんなデータがある。景気探検家でエコノミストの宅森昭吉氏の解説だ。
「夏季五輪では1968年のメキシコ大会以降、日本人選手の金メダル数が2桁に達した6大会(注:メキシコ大会のほか、1972年のミュンヘン大会、1984年のロサンゼルス大会、2004年のアテネ大会、2016年のリオデジャネイロ大会、2021年の東京大会の6大会)では、開催期間中の日経平均株価がすべて上昇しているというアノマリー(経験則)があります。
日本人選手がメダルを量産すれば、応援する人たちも盛り上がり、スポーツバーなどに皆で集まって観戦しようという機運も高まるでしょう。そうなると、飲食や交通などの関連消費が拡大し、さらにグッズ購入などの消費でも株価に好影響を及ぼすと考えられます。
しかも、金メダル2桁となった6大会のうち4大会は、五輪期間中だけでなく大会終了後も日経平均が上昇している。今大会も10個以上の金メダル獲得は射程圏内と考えられ、期待できるでしょう」
7月29日時点で、柔道、スケートボード、体操、フェンシングで金メダルを獲得、今後もレスリングなど期待される競技は少なくない。