実際、アシックスの東京五輪後の業績は上昇気流に乗っている。
一方で、無観客開催で主たる観戦方法となったテレビ中継においては、「公式ウェアは意外に目立たない」(スポーツ紙記者)との指摘も出ている。
「メダルを獲得した日本人選手は表彰式で公式ウェアを着用する。最高の晴れ舞台でアシックスのロゴが全世界に配信されるわけですが、実際には右手でメダルを掲げる選手が多く、右胸のロゴが隠れる場面が目立った。
その点、選手が競技中に身に着けるウェアは各メーカーが競技ごとに個別に契約しています。東京五輪の前半戦は柔道、体操、女子卓球など、ミズノのウェアをまとった選手らが躍進し、競技中はミズノのランバードのロゴが目を惹いた。公式ウェアのアシックス以上の存在感でした」(同前)
競技ウェアの最多はミズノ
今回のパリ五輪では、東京五輪に続いてアシックスが公式ウェアを担当するが、東京五輪後、各メーカーは大会中に各社のロゴがどの程度、テレビなどで露出したかを徹底的に分析したという。
「優勝後のインタビューや表彰式で公式ウェアのアシックスのロゴがどれほど露出したか、視聴者が熱中する競技中はどうだったかなどを総合的に勘案した結果、多くのメーカーは公式ウェアの契約よりも、各競技団体に食い込んでサプライヤー契約をしたほうが宣伝効果は高いと判断した。結果、各競技団体へのアプローチに力を入れるようになりました」(前出・スポーツメーカー関係者)