【3】「インプラント周囲炎」を説明しているか
世界のインプラント治療関係者の間で、大問題となっているのが「インプラント周囲炎」だ。掲載した画像がその症例である。破線部分まであった骨が、インプラント周囲炎で溶けて実線のところまで下がっている。“インプラントの歯周病”とも言われ、現時点では根本的な治療法がない。
「インプラント周囲炎の原因はバクテリアや、咬合時など各種の力が影響していると言われています。また、インプラント体と骨を早く結合させるために、表面が粗面処理されるようになりました。これがインプラント周囲炎のリスクを高めている、という指摘もあります。大切なことは、インプラント手術を受けた後の定期的なメンテナンスを欠かさないこと。そして毎日のセルフケアです」(小宮山氏)
インプラント治療がメンテナンスフリーとの勘違いは禁物で、半年に1回ないし2回の専門的なケアが必要だ。
【4】抜歯に至った原因を解決しているか
インプラント治療を受ける患者の大半は、セルフケアに問題があるため口腔環境が悪化し、抜歯に至っている。歯周病と同様、正しいセルフケアができないと、インプラント周囲炎のリスクが高くなるとも言われている。小宮山氏のクリニックでは、インプラント手術の前に、まず歯周病や虫歯の治療を完了させる。そして禁煙指導や、セルフケアをマスターしてもらうという。
「インプラント治療は、あくまで口腔機能を回復する手段です。食事を楽しんでいただくためには、抜歯になった原因を把握することが必要なのです」