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東京大学の「学校推薦型選抜」に求められるハードルの高さ 共通テスト8割、探究学習の成果、校内の評価…「推薦入試は一般選抜より簡単」の誤解

学校推薦型選抜を2016年から導入した東京大学(写真:イメージマート)

学校推薦型選抜を2016年から導入した東京大学(写真:イメージマート)

 大学進学を控える秋篠宮家の悠仁さまは、トンボを題材とした学術論文を発表するなど課外活動も注目を集めている。その実績を活かして東京大学の推薦入試(学校推薦型選抜)を受験するというシナリオも有力視されている。では、実際の東大の推薦入試はどのような生徒が受験し、合格しているのか。『中学受験 やってはいけない塾選び』が話題のノンフィクションライター・杉浦由美子氏がレポートするシリーズ「悠仁さまと東大推薦入試」。【全4回の第3回。第1回から読む

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 悠仁さまの進学先の大学がどこになるかという点が注目されている。悠仁さまがトンボ研究の第一人者たちと論文を書いたことから、「この論文を探究学習の実績として利用し、東大に学校推薦型選抜で入るのでは」という憶測がされ、「一流の研究者との共著の論文を実績として提出するのは『特権』ではないのだろうか」という批判も起きている。

 2024年6月12日配信の「デイリー新潮」では、「金持ちの子弟が高名な専門家を雇い共著論文を執筆してもらえば合格できてしまう」という意見を紹介している。前回と前々回記事では、その批判は的外れでないか、と書いた。論文を共同で書いた場合、論文全体のクオリティではなくその論文の中で悠仁さまが担当した部分が評価される、また、悠仁さまは自由に山や森に繰りだして調査ができないお立場であり、それは昆虫の研究者として大きなハンデを背負っているという2つの点を指摘した。

 その悠仁さまが実際に東大の学校推薦型選抜(推薦入試)を受験するかはさておき、今回は東大の推薦入試の現状について言及しよう。

 全体的に推薦入試は一般選抜より簡単だと誤解されがちだが、そうではないケースが増えている。特に東大の推薦入試は実にハードルが高くなっている。

 大手塾の小論文対策講座の責任者がいう。

「東大の推薦入試が始まった頃は、選抜の方法も試行中だったので、一般選抜では絶対に合格できないような学力の低い生徒や“微妙”な生徒が合格することがありました。しかし、今はそういったことはあまりないですね」

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