大学進学を控える秋篠宮家の悠仁さまは、トンボを題材とした学術論文を発表するなど課外活動も注目されている。その実績を活かして東京大学の推薦入試(学校型推薦選抜)を受験するというシナリオも有力視されているが、東大の推薦入試はどのような生徒がチャレンジできるのか。また、その実態はどのようなものか。『中学受験 やってはいけない塾選び』が話題のノンフィクションライター・杉浦由美子氏がレポートするシリーズ「悠仁さまと東大推薦入試」。【全4回の第4回。第1回から読む】
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悠仁さまの進学先の大学がどこになるか、という点が注目され、「東大へ推薦で入学するのではないか」という推測もされている。その中で、「推薦で東大に進学すること」への反発も起きている。前回記事では東大の学校推薦型選抜(推薦入試)がいかにハードルが高いかについて言及した。基本的に難関校の中でも成績優秀で先生の覚えめでたき優等生、そして、探究学習や課外活動でも実績があるような“パーフェクト高校生”でないとまず出願すらできない。今回はその東大入試の現状について、言及を続けていこう。
東大の推薦入試は2016年に始まった。その頃に、ある東大の教授が「教養や素養がある子や尖った面白い子がほしいんだ」とSNSに投稿をしていた。一般選抜で入学してくる東大の学生の大半は、塾や予備校の勉強で忙しく、本を十分に読む時間がなく、この教授が求めるような教養や素養がある学生は少ないのかもしれない。
このような学生と接している教授からしたら、「学力は一般選抜を突破できるほどでなくても、教養や素養がある子や尖った面白い子」に入学してほしいと思うこともあるわけだ。
しかし、実際には東大推薦入試の試験が成熟した結果、「難関高校の優等生全国大会」になってきている。