「今回の乱高下相場は予測できなかった」
同じくブラックマンデー経験者で、49歳の時に株式投資で2億円近い資産を築いて早期退職し、専業投資家となったかんち氏は、「今回の乱高下相場は予測できなかった」と語る。
「いつどのような暴落が来るかを正確に予測することはできません。ただし、日経平均の絶対的水準が高く、信用の『買い残』(信用買いされて決済されずに残っている株式の残高。将来の売り圧力の目安とされる)が過去最高水準だったので、暴落すれば大きな値幅になると想定して、大暴落したら何をするかを決めておきました」(かんち氏)
備えをして迎えた急落局面で、どう動いたのか。かんち氏が続ける。
「暴落時は株が安くなるので買いの一手です。ただしリスクを避けるため、『2万8000円の株が2万6000円になったら資産の3%を投入する』などと手順を定めたうえで、株価が下がるにつれて買い増す“買い下がり”を実行した。狙ったのは高配当で好業績の企業の株です」
高配当株を重視してポートフォリオを組み、長期保有で配当金や株主優待を得るかんち氏は、乱高下の状況でもそのスタイルを変えなかった。
「過去の市場を見ても、株価は時間がかかっても必ず元に戻ります。暴落しても慌てて売ることはしません。8億円あった資産は大暴落で6億円台まで減りましたが、『買い下がり』で7億円台に回復しました。投資は何が起きるかわからない。準備していないと慌てて対応を誤るので、『暴落したらこれだけの資金をこれだけ入れよう』『株価が回復してこの水準になったら売ろう』と決めておくことが大事です」(かんち氏)