有事は“バーゲンセール”だ
高配当株を主軸とする投資法で15年連続黒字を叩き出している会社員兼投資家の億り人・なのなの氏は、株式市場を楽観的に見ていた。
「7月上旬に過去最高値をつけるなど日経平均は上昇傾向で、同月末に日銀が利上げを発表した日も日経平均はむしろ上がっていた。悪材料が出尽くして、株価は今後も上がっていくと思っていました」(なのなの氏)
上昇相場を見越して株を買い増しており、8月6日朝の時点で資産は7月中旬と比べて3000万円減っていたが、“狼狽売り”はしなかった。
「リーマンショックやコロナのような危機的状況ではないと捉えました。株価が下がると配当利回りは上がるので、資金管理をしながらむしろ冷静に買い増した。特に大暴落した5日は、普段は買えないような低い値段で指値注文していた銘柄が買える“バーゲンセール”でした」(同前)
この日は夜間取引を含め、配当利回りの高い「ホンダ」と「平賀」、成長株の「Macbee Planet」などの株を120万円分購入した。
「翌6日は株価が急反発しましたが、高値掴みを避けるために様子見し、その後、信用取引の追証と思われる売りによって下がった銘柄のなかから、実力以上に売られていた『クリエイト』と『セイファート』の株を20万円分買いました。ともに高配当の小型株です。もともと株価の値上がり益より配当金額を確実に得ることを優先しているので、株価が暴落した有事こそ買いの好機と判断して冷静に行動できました」