7基のうち6基は稼働停止中だが…
今回の「巨大地震注意」では、新たな問題が浮き彫りになった。どの原発も「臨時情報」に伴う措置を定めていないことが明らかになったのだ。国民に対して巨大地震への注意を呼びかけているにもかかわらず、政府は悲惨な事故の可能性を孕む原発に関する、対応措置を想定していないのである。
一連の動きを受け、元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏は、「臨時情報が出た時点で原発は即時停止すべき」と警鐘を鳴らす。
「今年1月の能登半島地震では道路が寸断され、志賀(しか)原発付近に住む約150人が孤立しました。仮に原発事故が発生しても、住民を退避させられない可能性がある以上、南海トラフ地震のリスクが高まっているならば、原発を止めると考えるのは自然なことでしょう」(小出氏)
現在、前述した7基のうち、川内原発の2号機以外は定期検査などの理由で稼働を停止している。しかし、「停止しているから安全安心というわけではない」という。
「もちろん、運転中に比べて事故のリスクは下がります。ただ停止中でも、原子炉内にあった燃料や使用済みのものは、燃料プールと呼ばれる深い水槽に保管されている。津波の被害でその冷却機能が停止すれば、燃料が発熱して事故に繋がる可能性は否定できません」(原発関係者)
「核燃料不安」は、つねに頭をもたげている。
※女性セブン2024年9月5日号