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企業スポーツからの脱却目指すラグビー「リーグワン」 14季ぶり優勝で注目のキーマン東芝ブレイブルーパス東京・荒岡義和社長「ラグビーで一社独占の一人勝ちはあり得ない」

リーグワン初優勝を喜ぶ東芝ブレイブルーパス東京の選手、スタッフ、ファンたち(写真提供:東芝ブレイブルーパス東京)

リーグワン初優勝を喜ぶ東芝ブレイブルーパス東京の選手、スタッフ、ファンたち(写真提供:東芝ブレイブルーパス東京)

「東芝ブレイブルーパス東京というコンテンツをどう輝かせるか」

 ただし試合数が少なく、天候に左右される不安定なラグビーのビジネスでは、収益をチケット収入のみに頼るわけにはいかない。それゆえBL東京は新規スポンサーの獲得やオリジナルグッズの作成、ファンクラブの充実やアカデミーの拡大に余念がなく、収益多様化をめざして奔走している。

 もちろん、ブレイブルーパスというブランドを輝かせて多くの人を魅了することも求められる。荒岡社長は「世界有数のユニークなラグビークラブをめざす」という目標を掲げる。

「ブレイブルーパスというコンテンツをどう輝かせるかは本当に難しくてずっと悩んでいますが、答えの1つは戦い方。決して洗練されたプレーをするチームではないですが、『接点無双』を掲げて、愚直に泥臭くプレーするスタイルでお客さんを魅了したい。

 地域貢献にも積極的に取り組み、練習場がある府中市を中心に小中学校で出前授業をして、商工会議所やロータリーとも交流があります。府中市にはライバルの東京サントリーサンゴリアスもいるので他の地域よりも熱心に興味を持ってくれる方が多い。『東芝とサントリーの片方に肩入れはできないよ』とも言われますけど(笑)」

非上場でも「収益の見える化」を進める背景に「先駆者となる意思」

 荒岡社長の人柄と覚悟がうかがえるのが、収益の「見える化」を進める姿勢だ。定例会見では入場者数やグッズの売上金額、売上目標などの細かな数字をあげてクラブの事業面を報告し、メディアの取材には、「母体企業からの収入は年間15億円から20億円」「選手の年収は数百万円から数千万円を超える水準」などと具体的な金額をざっくばらんに明かす。

 その背景には、「業界の先駆者」たらんとする強い意志がある。

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