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宅配業者に寄せられる苦情電話のリアルな中身 「1分遅れた!ふざけるな!」「家にいたのに不在票が!」「家にいない数分間を狙って届けるな!」

物流が激増する中でドライバーの苦労も増えている(イメージ)

物流が激増する中でドライバーの苦労も増えている(イメージ)

 その便利さから多くの人に活用されるネット通販。総務省統計局が公表している「家計消費状況調査年報 令和5年」によると、2人以上の世帯でネットショッピング利用者は過去最多の53.5%となっており、多くの人々の生活に根付いていることがうかがえる。

 その一方で、宅配業者の苦労は増すばかりだ。各社、即日お届けや再配達などの要望にも応えられるよう奮闘しているが、時として配達先から苦情を受けることも少なくない。宅配業者に寄せられる電話の中身はどのようなものか──。

1分遅れで「遅い!」と激怒

 大手宅配業者で、都内の事業所を担当している片山さん(仮名、30代男性)は、ドライバーを統括する管理職。クレームやトラブル処理も大事な仕事の一つだ。

「問い合わせ自体は、電話やメールで一日に20~30件寄せられます。クレームが大半で、最も多いのは“遅延”に関することですね。もちろん指定の時間通りに届けることを心がけていますが、交通事情や他のお客様との兼ね合いで時間を過ぎることもあるのが実情です。

 たとえば14時から18時の時間指定で、ドライバーが18時を1分過ぎてうかがうと『遅い! ふざけるな!』と激昂されたこともあります。相手は30代ぐらいの女性でした。もちろんお客さまにはお客さまの都合があるから時間を指定されているわけですし、平謝りするしかありませんでした。先方は、『(遅れるなら)連絡ぐらいできましたよね?』と怒りが止まらない。

 たしかに遅れたのはこちらのミスですが、正直物流が激増しているなかで、時間指定はキツいというのがドライバーの本音です。業界として時間指定の運用の仕方には問題があると思っていますが、競合の存在と売上のことを考えると、どうにも改善に動きようがなく、苦しいところです」(片山さん。以下「」内同)

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