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【「趣味は音楽鑑賞」と言わなくなった若者たち】音楽を積極的に聴かないZ世代のリアルな声「趣味にするのはコスパが悪い」「音楽に詳しくても得しない」

TikTokのBGM経由でトレンドを知れば十分

 文字通り金銭的な面から「音楽鑑賞はコスパが悪い」という人もいる。都内の居酒屋でアルバイトをしながら、下宿生活を送っている男性・Bさん(学生・20歳)が語る。

「音楽好きってお金がかかる印象です。サブスクに登録すると最低でも毎月1000円くらいかかりますよね。それなら僕はタバコ買います(笑)。気になる曲があれば、YouTubeを使って無料でMVを見られるし、正直な話TikTokとかのBGMで流れている曲やアーティストを知っていればトレンドには追いつけます。

 親からの仕送りがないので、趣味もお金を使わないものを選ぶしかない。基本はずっとプロスピ(※スマホゲーム『プロ野球スピリッツA』)をして、野球の試合の動画を見ているくらいですね」(Bさん)

年長世代も感じる若者たちの変化

 こうした若者たちの傾向を顕著に感じるようになった年長世代もいる。都内の大学で教鞭を執る男性・Cさん(准教授・40代)は、新入生たちの「音楽鑑賞」への関心が年々薄らいでいるように感じている。

「AさんやBさんのような大学生は増えていると感じますね。僕自身、音楽オタクで10代の頃から下北沢のライブハウスに入り浸る生活をしてきました。今でも時間があれば、若手バンドを発掘しに行ったり、フジロックに足を運んだりしているタイプの人間です。

 10年前くらいまでは僕のような学生も一定数いて、年代を超えて音楽の話ができたのですが、最近は激減していますね。そもそもライブに行くのも、CDを買うのもお金がかかりますし、平成の頃のようにカラオケで盛り上がる文化もなくなっている。無料で楽しめる娯楽が増えているなかで、音楽を積極的にディグる(※深く掘り下げて調べる)ことの費用対効果が悪くなっているのかもしれません」(Cさん)

 アルバイトに明け暮れる「バ畜」という言葉も広がる今、若者たちにとっては音楽を趣味にすることは“コスパが悪い”ことになっているのかもしれない。

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