12階建てマンションの最上階、屋上の熱気がそのまま
Yさん(50代/男性)も建物の構造上の理由で、夏は暑さと戦う生活を送っている。
「私が住んでいるのは築50年を超える、いわゆるリノベーション物件です。コンクリむき出しのレトロな雰囲気で、12階建てマンションの最上階の角部屋。駅から近く、家賃も安く、眺めも良く、基本的に満足しているのですが、唯一の問題は暑さです。
真夏は屋上がチンチンに温められて、その熱気が最上階の我が家にも伝わり、5月から9月までクーラーはつけっぱなし。ベランダもいわゆる“目隠し”部分がないフェンスのみのつくりなので、直射日光が部屋まで届き、とにかく暑い。部屋は40平米もないのに、真夏の電気代は月2万円を超えます。
また水道管が温められているせいか、普通に水の蛇口をひねってもあたたかい水、もはや“お湯”が出てきてしまいます」
そんなYさんが気になるのは、「近所の団地」だという。
「団地は日当たりの確保を重要視したつくりになっていて、南向き。真夏に団地の前を通ると、ほとんどの部屋のドアが開けっ放しなんです。これまではドアを開ければ風通しが良くなっていいな、なんて思っていましたが、今年の暑さはそれでしのげるレベルではないはずです。
住んでいるのは高齢者が多そうだし、そもそも部屋にクーラーがない人、あっても使わない人もいるのかなと思うと、心配で仕方ありません」(Yさん)
このまま酷暑化が進めば、「南向き以外」が部屋選びの必須条件になるのだろうか──。(了)