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《ヤメ日立たちの証言》セカンドキャリアで活かされる日立製作所「大赤字からのV字回復」を目の当たりにして学んだこと

経営トップが改革に挑み、V字回復を実現したことは、社員たちにとっても学びが多かったようだ。左から川村隆氏、東原敏昭氏、中西宏明氏の社長経験者3人(写真は2014年のもの。時事通信フォト)

経営トップが改革に挑み、V字回復を実現したことは、社員たちにとっても学びが多かったようだ。左から川村隆氏、東原敏昭氏、中西宏明氏の社長経験者3人(写真は2014年のもの。時事通信フォト)

 7月31日に日立製作所が発表した2024年4~6月期の連結決算は、事業再編の影響で減収となったものの、純利益は前年同期比2.5倍の1753億円となった。市場予想を大きく上回り、大胆な構造改革が実を結んでいる。2009年3月期には7873億円もの最終赤字を計上。日立は瀕死の状態にあった。そこからの「V字回復」を体験した社員たちは、日立を離れた後も、様々なところでその経験を活かしている。「ヤメ日立」たちに話を聞いた。

 72歳の福富昇氏は、1973年に日立製作所に入社。子会社への転籍を含め長きにわたって日立でモノづくり一筋のキャリアを重ねた。日立製作所インダストリアルプロダクツビジネスユニットのモノづくり統括本部の部長だった2017年、65歳で退社。その後は70歳まで、日立製作所の有期契約社員として勤務した。

 70歳で退社した後の福富氏は、日立時代の人脈とノウハウを活かし、フクトコンサルティングの代表として中小企業を中心としたコンサルティングに従事している。

「リーマンショックもあって日立製作所が約7800億円の赤字を出した頃、私は日立プラントテクノロジーというグループ会社にいました。この時期は社内の組織変更が激しかった。日立プラントテクノロジーはいわゆる上場子会社でしたが、2010年4月に親会社に吸収され、上場廃止になりました。相乗効果を得るために社内企業とグループ会社数社を合併して誕生したグループ会社という立ち位置ですね」(福富氏)

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