米国の主要株価指数であるS&P500は、9月第1週に4.25%の下落を記録し、再び景気後退への不安が高まっている。今後の米国市場をどう見ればよいか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが解説する。
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アメリカの主要株価指数であるS&P500は、9月第1週に4.25%の下落を記録しました。これは、2024年に入ってから最大の値下がりとなっています。アメリカでは再び景気後退への懸念が高まっていますが、株安はこの先も続くのでしょうか。今回は、景気後退と、その鍵を握る経済指標について確認をしてみましょう。
アメリカにおける景気後退の定義とは
アメリカでは、実質GDP(国内総生産)が2四半期連続でマイナス成長となると、景気後退と見なさます。この現象は「テクニカル・リセッション」と呼ばれますが、正式な景気後退と必ずしも一致するわけではありません。
景気後退の判断は、全米経済研究所(NBER)によって行われます。NBERは景気後退を「経済全体にわたり、数ヶ月以上続く顕著な経済活動の低下」と定義しており、判断の際には深さ、広がり、期間に加え、実質個人所得や非農業部門の雇用者数など、複数の経済指標を総合的に考慮して判断しています。
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