東大を卒業後、銀行に就職し、30歳でキャバクラ嬢に転身してナンバーワンにのし上がったという異色の経歴を持つ女性投資家のウルフ村田氏(55、本名・村田美夏)。その歩みを本人が振り返った。
相場の世界で「ウルフ」の異名を取る村田氏は、10代の頃から情報収集に熱心で、戦略的に動いてきたという。
「私は名古屋で生まれて5歳まで過ごし、その後は父の転勤で東京に転居しました。小学校は地元の公立に通い、中学受験をして桜蔭に進学。桜蔭といえば中高一貫の私立女子校で、毎年多数の東大合格者を輩出する進学校としても知られていますが、私は高校1年生の時の全校模試で学年1位になったことがあるんです」
そう話す村田氏は「ただ、それにはカラクリがあるんです」と言葉を継いだ。
級友たちも模試の結果に驚いていた
村田氏はこう説明を続けた。
「私が1位になった模試というのは駿台予備校が主催する『駿台模試』。事前にそのことを知っていたので、高校1年の4月からひそかに駿台予備校に通い始めたんです。駿台の先生たちは、通っている生徒たちが駿台模試で上位を占めれば宣伝になるので、模試に活かせるような要点を教えてくれるはず。そう計算して、私は全校模試の前から駿台予備校に通い、狙い通り学年トップをとることができたわけです。級友たちは驚いていましたが、“合法的なズル”ってことで(笑)。
そんな感じで、学生の頃から要領が良かったんです。でも、学年1位をとったことで『私って天才?』と勘違いした私は、勉強をサボるようになり、数学のテストで4点を取ってしまったこともあります。上手くいくと、すぐに調子に乗って油断するのは今でも変わっておらず、投資でもたまにそんな失敗をしてしまいます」