新NISAのスタートなどにより投資ブームが巻き起こっているが、すでに株式投資で億の資産を築いた“億り人”は、どのようなテクニックを駆使してきたのか。8億円超の資産を持つ元消防士・かんちさんは、高配当株投資をメインとする専業投資家として知られるが、そのポートフォリオには初心者にも人気のある「優待株」が一定程度含まれているという。
もともとは、株式投資を始めた当初に、「外食産業の株を買って、その優待券で飲食をすれば節約になる」と考えたことが、優待株投資を重視するきっかけになったという。保有銘柄は600を超えるかんちさんが語る。
「節約につながりそうな優待株だと思ったら、ジャンルを問わずに片っ端から購入して長期保有します。なかでも外食産業の銘柄がいちばん多いですかね。あとは優待で『クオカード』がついてくる銘柄も持っていますね」
株を買えば買うほど、生活費が圧縮できる
クオカードの優待は「100株以上保有で1000円分」といった設定がなされるものだが、長年の積み重ねがあれば大きな額になるという。
「何十年も貯め込んでいたクオカードで、自宅に200万円以上する太陽光発電の設備を導入しました。ずっと貯めていたんですが、デフレだったので机の中に入れている間に物価が下がって価値が上がっていた。今はインフレに転換したので、クオカードはどんどん使わないダメですね。金券ショップに持っていくと95%の額で買い取ってくれます。
クオカードは全国どこにでもあるコンビニで使えますからね。金券と同じなので家族に渡せば生活費の削減につながります。生活費がどれぐらい安くなるかというのが発想の原点でしたが、(優待株を)買えば買うほど生活費が圧縮できるというのが良いいですね。スーパーや家電量販店大手での購入費用も、関する優待がある株を買えば買うほど圧縮できるのです」
株式投資で資産が膨らみ、優待株の保有も増えていくと、「生活のなかのほとんどの場面を優待で賄えるようになる」という。
「そうなると、ほとんどお金を使わなくても生活できるレベルになる。外食、カラオケ、スポーツクラブ、旅行、日用品、映画、衣料品、電化製品、食費、雑費なども賄えるわけです」