満員電車や高額な住居費、ヒートアイランド現象など──とかく都会は生きにくい。そこで自然豊かな地方への移住を夢見る人も少なくない。
「移住に関する相談件数は年々増え続けており、昨年度は過去最高の5万9276件となりました」
と語るのは認定NPO法人ふるさと回帰支援センター理事長の高橋公(ひろし)さん。
「2020年からのコロナ禍で、リモートワーク利用者が増え、“どこにいても仕事ができる”ということで、移住希望者が増えました。15年ほど前は定年後のセカンドライフに移住を希望する60代以上の相談者が40%以上を占めていましたが、現在は30~50代の働き盛りが多く移住を希望するようになりました」(高橋さん・以下同)
移住と聞くと自然豊かな田舎暮らしを思い浮かべがちだが、人気なのは静岡県、群馬県、栃木県、長野県などの地方都市や県庁所在地だという。
「首都圏への交通アクセスがよく、少し足を延ばせば豊かな自然のある場所が人気のようです」
では、憧れの地方で豊かな後半生を送るには、移住前にどのような準備をしておくべきか。新天地での仕事探しや人間探しの再構築など、移住には多くの課題がある。以下、特に50代以降が移住を考えたときに困らないための最新情報を解説していこう。
次のページ:国をあげての移住支援で100万円の給付も