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「自宅前のゴミ集積所」を移動してもらうために必要な手続き 「その場所が誰のものであるか」で異なる同意の求め方【弁護士が解説】

 ご質問では、アパート住人専用の集積所で、その敷地内に設置しているのでしょうから、変更には大家の同意が必要です。敷地内で円滑に収集作業ができる場所があって、特に設備も不要であれば変更できるかもしれませんが、管理不充分のままでは別の住民が迷惑を受けるでしょう。

 注意しても不適切な使用を繰り返しているので、役所に指導してもらうか、あるいはその集積所でのゴミ収集をやめ、別の集積所の利用を指示してもらうことが考えられます。廃棄物収集の義務がある市町村も集積所を利用して収集する以上、集積所で近隣住民の生活が脅かされる状態を改善する責務があるからです。

 住民は集積所とその周辺を常に清潔に保つようにする責務があるという条例を定めた自治体があり、その違反者に罰則を科している例もあります。お住まいの自治体に相談されるとよいでしょう。

 役所の対応が期待できない場合、私的に何ができるかですが、集積所の迷惑状態が改善せず、平穏な日常生活ができないほどひどいとすれば、ゴミの飛散を防げないゴミ集積所の施設に欠陥があるといえます。その場合、ゴミ置き場は土地の工作物ですから、その使用者や管理をする者に対して慰謝料の請求も検討できます。それにとどまらず、健康を害するまでになれば、人格権を侵害するものとして、ゴミ集積所の使用差し止めを裁判で請求することも検討できます。

【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2024年11月28日号

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