大容量のデータを保存する外付けHDD(ハードディスクドライブ)。使用状況などにもよるが、寿命は意外と短く3年から4年程度といわれ、それ以上長く使い続けていると、故障のリスクが高くなるという。大切なデータを守るためには、定期的にHDDを買い替えてデータを移行する必要があるが、怠るとHDDの不具合に気づかず、データの復元ができなくなるという悲劇に見舞われる可能性もある。
実際に、使用していた外付けHDDが故障し、保存データをすべて失ったフリーライターのAさん(40代男性)が、その時の状況を明かす。
「先日、仕事で使っている自宅のデスクトップパソコンのOSをアップデートしたら、その後、それまで接続していた2TBの外付けHDDが認識されていないことに気づいたんです」(Aさん、以下「」内同)
その外付けHDDには、10万曲以上の音楽ファイル、動画ファイル、デジカメで撮影した写真などが保存されていたという。
「学生時代から音楽が好きで、当時から買い漁っていたCDを取り込んでHDDに保存していました。海外のインディーズバンドが無料で配布している楽曲データを集めるのも好きで、そういったファイルもたくさん保存していました」
HDDが認識されないのは、OSをアップデートしたことが原因かと思ったAさんは、古いバージョンのOSを搭載したノートパソコンにHDDを接続してみたものの、それでもやはり認識されなかった。
「OSが原因ではないとなると、やはりHDD自体の問題なのかなと思って、ネットでいろいろ調べましたが、似たような症状を報告するものはなく、原因は不明のまま。PC関連に詳しい友人に相談したら、HDD自体の物理的な故障の可能性が高いとのこと。意外とHDDの寿命は短いんですね……。少なくとも自力で復元するのは不可能そうでした」
もちろんHDDを修理に出すことも可能だったが、直る可能性は未知数なうえ、費用がかかる。そういった現実をうけてAさんは、データ復元を諦めた。