「あの子と同じゼミが嫌です」という訴えも
都内の別の私立大学で学生相談に対応するスタッフの男性・Bさん(40代)も、経済的支援を求める相談や就職活動などの進路相談に加えて、対人関係に関する課題を抱えている学生が目立つようになったと語る。
「今回の法政大学のニュースを見た瞬間、『他人事ではない』と身が引き締まる思いでした。というのも、うちの大学でも学生同士の対人関係の悩みの相談が後を絶たないからです。たとえば、3年生になりゼミの所属が決定した際には、『ゼミが決まったが嫌いな子がいたので他のゼミに移りたい』、『あの子と同じゼミが嫌で、ゼミの日に不登校になってしまうので単位が心配だ』といった悩みが寄せられたりします。
このような対人トラブルは、ゼミの指導教員に相談してもなかなか解決できないため、相談室に来るのでしょう。あくまでも私の印象論ですが、最近では人間関係のトラブルを自分で解決しようとせず、学務課や学生課といった事務室や相談窓口に来て、第三者に解決してもらおうとする学生が増えた気がします。『退職代行サービス』のように、友人や知人との直接の軋轢を避けたいと考えるのかもしれません」(Bさん)
SNSで本人だけが察するようないじめが横行
一方で、大学に通う学生たちは今回のニュースをどのように受け止めているのか。都内の私立大学法学部に通う女性・Cさん(20歳)は、このように語る。
「私の友人にも対人関係で色々な悩みを抱えている学生はたくさんいるので、他人事ではないなと感じますね。同じサークルの男子学生は、同級生彼女からのデートDVに悩んでいると聞かされました。SNSで常に位置情報を監視されたり、彼女以外の女友達のLINEアカウントをすべて削除するように強要されたりしていて、八方塞がりだと悩んでいました」(Cさん)