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森永卓郎さんが静かに進めていた“人間関係の整理” 「妻には嫌われてもいい」と考えた真意とそれが上手くいかなかった理由

妻には頭が上がらないという森永卓郎氏がなぜ「妻には嫌われてもいい」と考えたのか

妻には頭が上がらないという森永卓郎氏がなぜ「妻には嫌われてもいい」と考えたのか

 1月28日に亡くなった経済アナリストの森永卓郎さん(享年67)。2023年11月にすい臓がんのステージIVと診断(その後、原発不明がんと診断)され、「余命4か月」を告げられてからも亡くなる直前まで執筆活動や番組出演をはじめ数多くの仕事をこなしてきた。週刊ポスト1月27日発売号では、森永さんの独占手記を6ページにわたって掲載している。余命宣告後の森永さんは、資産整理や人間関係の整理を着実に進めていた。「人間関係の整理術」については、次のように明かしてくれていた。

親密な関係性を持つ友人は1人もいない

 順調に身辺整理を終え、最後に残るのが「人間関係」の処遇である。がんなどで余命宣告された場合、多くの人は親しい友人に感謝を伝えておきたいなどと思うものだ。ただ私の場合、どんな人にでも平等にオープンに付き合うことは心がけてきたが、親密な関係性を持つ友人は1人もいない。仲間を作ると自分の都合に相手を巻き込んだり、仲間の問題に自分が巻き込まれたりするのが嫌で、これまで親しい友人を作らないようにしてきたのだ。

 世の中には退職して初めて迎えた元旦に届いた年賀状が例年の10分の1に減ったことを嘆く人がいるが、そんなことは当たり前である。仕事つながりの人間は仕事の幕を閉じれば離れていくのが自然ではないか。死に向き合うのは孤独な作業で、誰かと共有しても意味がない──余命宣告を受けてますますそう確信した。

 そんな私だが、妻には頭が上がらない。過去に父の介護で苦労をかけたうえ、今は私の身の回りのこともやってもらっている。

 心配なのは、これまで私が資金管理をすべて担ってきたため、妻の金融リテラシーが育たなかったことだ。このままだと私の死後、財産の管理に行き詰まることが目に見え、詐欺に騙されるかもしれない。

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