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B'zオールドファンの思い

「どこにアンチが潜んでいるか不安で…」紅白効果でB’zが大フィーバー、オールドファンが明かす「ファンだと公言できなかった」苦悩の日々

2012年、初のニューヨーク公演を果たしたB’z(Getty Images)

2012年、初のニューヨーク公演を果たしたB’z(Getty Images)

 デビュー37年目に時ならぬ「大フィーバー」を起こしたロックバンド・B’z。2024年大晦日のNHK紅白初出場をきっかけに新たなファンを獲得していると話題だが、ブームの過熱ぶりに、往年のファンの中には喜びとともに複雑な思いを抱く人もいるようだ。ある50代男性のケースから、その微妙なファン心理についてフリーライターの池田道大氏が迫る。【前後編の前編】

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 新年の幕開けからロックバンド・B’zが音楽界の話題を独占した。発端は昨年大晦日に放送された『第75回NHK紅白歌合戦』だ。後半の特別企画に登場したB’zは『イルミネーション』を披露した後、メインステージにサプライズで登場して往年のヒット曲『LOVE PHANTOM』と『ultra soul』を大音量で歌い上げ、会場は興奮の坩堝と化した。

 フィーバーは収まらず、1月22日に発売された『鞭』は通算4作目のデジタルシングル1位に輝き、紅白放送後にファンクラブ会員が2万人増えたと報じられた。デビュー37年目にして新たなファンを大量に獲得し続けるB’zだが、古くからの熱心なファンからはこんな嘆き節が聞こえる。

「デビュー時から応援していますから、今さら再ブームと言われても……。紅白が盛り上がったのはよかったけど、できればあまり騒がず、静かに見届けてほしいです」

 そう語るのは、フリーカメラマンの田中隆史さん(仮名・50代)。今、加熱するB’zブームを横目に、田中さんのように複雑な思いを抱く古参ファンが少なくないという。いったいなぜなのか──。

「CDが傷だらけになるほど聴いた」

 オールドファンの気持ちを知るために、B’zの足跡と絡めて話を聞いてみる。高校生だった田中さんが「原石」に気づいたのは、まだB’zがデビューする前の1980年代後半だった。

「当時人気だったTM NETWORKのライブをテレビで見た時、サポートメンバーのギタリストが超絶的にカッコ良かった。TMメンバーの木根尚登さんはもともとフォークの人だからシャカシャカしたギターの弾き方だけど、サポートメンバーはまさにロック調で音の響きが最高でした。そのギタリストが松本孝弘さんだった」(田中さん・以下同)

 その後、松本孝弘(63)はボーカルの稲葉浩志(60)とB’zを結成し、1988年にシングル『だからその手を離して』とアルバム『B’z』の同時発売でデビュー。愛読していた音楽雑誌でデビューを知った田中さんはさっそくCDを購入した。

「TMの音楽も好きだったけど、もっとロックの要素が入ったらいいのにと思っていたら、B’zはちょうそこにガチっとハマった。もう一発で気に入りました」

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