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ライフ

地方で引きこもる当事者たちが語る“今の生活から抜け出せない”事情 「働き口の選択肢が少ない」「周囲に噂が出回っている」「土地持ちの実家に助けられた」

噂が出回っている雰囲気を感じる

 長野県在住のBさん(20代男性)は都内の大学を中退し、実家に戻った。「このままでは駄目だ」と自覚はあるようだが、なかなか社会生活は営めないでいる。

「東京にあこがれて上京しましたが、僕は人付き合いが苦手で……。大学ではクラスでの交流もサークル文化にも馴染めず、1年生の後期頃から行かなくなり、2年生が終わる頃に中退しました。精神的に辛い時期を過ごしていたら、心配した両親が、実家に呼び戻してくれました。そこから5年経ちましたが、今も外に出るのが怖いです」

 Bさんの社会復帰を阻むのはやはり「人付き合い」だが、そこにも地方ならではの事情が潜む。

「そもそも、僕が地元に戻ってきた時点で、周囲に“病んだらしい”というような噂が出回っている雰囲気を感じます。そういうなかで働くのは厳しいし、そうでなくても田舎なのでアナログな人付き合いをする職場が多くて、いろいろ言われるのが怖い。かといって、他の地域に出るのも怖い」

 Bさんの親もAさんの親同様、実家に戻ってきた息子にあたたかく接している。Bさんは「一度精神的に落ち込んでいるので、親も腫れ物に触るような感じなのかも」といい、自身でも「実家にお金を入れるわけでもなく、申し訳なさはある」と苦悩を口にする。

「長い期間家から出ないでいると人との接し方を忘れてしまいます。昔よりもコミュ障は酷くなったと思います」(Bさん)

相続で土地とアパートを譲り受け生活には十分

 Cさん(40代男性)の実家は静岡。24歳で愛知県にある大学の大学院を卒業した後は定職に就かず、名古屋で一人暮らしをしている。基本的に家から出ない引きこもり生活をCさんができるのは、「実家が太い」という理由がある。

「祖父が土地を貸していて、家賃収入だけでもかなりあります。実家も広くて10LDKとかあるかな……。無駄に広いのは、地方特有ですよね。大学院も暇だから進学しただけ。数年前に相続で土地とアパートを譲り受け、今は月に25万円程の収入があり、一人であれば十分な生活ができます」(Cさん)

 そんなCさんは、「食事はコンビニ、家にいる時はYouTubeを見ているか寝ている」という生活を送っているが、親が高齢になってきたことを踏まえ、資格試験の勉強を始めたという。

「将来的に大家として生活をするのであればと考え、宅建士の資格を取ろうかなと。とりあえず時間だけはあるので……必要かどうかというより、まあ暇だからですね」(前同)

 職業や娯楽などの選択肢が少ないながらも、生活できる実家や収入ルートがあるがゆえに、地方で引きこもりになる人たちがいるわけだろう。

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