国内工場の閉鎖、2万1000人の削減などを柱とした「日産リバイバルプラン」を発表するカルロース・ゴーン氏(写真は1999年撮影/AFP=時事)
「コストだけでなく、リーダーシップの問題だ」
しかし、2018年に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で逮捕・起訴される。さらに、翌2019年には保釈中に中東・レバノンに密出国。日本中に衝撃が走る“逃亡劇”だった。今もレバノンで暮らすゴーン氏。リモート形式で行なわれたインタビューで、密出国が日本で厳しく批判されていることを問うと、「私は自分の逃亡を後悔していない」と応じた。そして、自らが去った後の日産経営陣を厳しく批判した。
「私が18年間、チームと共にやってきた仕事はすべてムダになった。日産の時価総額は私の頃に比べて数百億ドル下がり、約100億ドル(約1兆5500億円)になった。大金を失った責任は重い。彼らは任務を遂行せず、日産の従業員を失敗させ、日産の株主を失敗させ、そして日本を失敗させた」
“コストカッター”の異名を取ったゴーン氏だが、「現在の日産にあるのはコスト削減の問題だけではない。むしろ“リーダーシップ”の問題だ」「ビジョンがなく、財務をはじめ経営問題を抱えている」と指摘した。
ただ、それでも再生の道はあるという。ゴーン氏はこうも語った。
「人間が作り出した問題を、人間が解決できないことはない。1999年に私が日本を訪れた時、多くの人は私に『日産は絶望的だ』と言ったが、私はそうは思わなかった」
では、ゴーン氏であれば今の日産をどう立て直すのか――マネーポストWEBでは、ゴーン氏の独占インタビューを全文先行公開している(2月16日付)。関連記事の《【全文公開】カルロス・ゴーン氏独占インタビュー「日産とホンダの破談の原因」「海外逃亡への批判」「新・日産リバイバルプラン」「現経営陣への最後通告」…すべて語った》では、ホンダとの経営統合が破断した理由、日産の抱える課題、触手を伸ばしてきた台湾電機大手・鴻海精密工業の狙い、そして再生のための「新・リバイバルプラン」まで、ゴーン氏が自身の考えを詳らかにしている。