“転売ヤー”の増加も米価格急騰の原因に(イメージ)
異例の高騰が続く米価格。江藤拓・農林水産大臣は2月14日、政府が保有する備蓄米21万トンを放出することを正式に発表した。いったい誰が価格をつり上げているのか──価格高騰に乗じてカネを稼ごうとする事業者や個人の動きを追う。【前後編の後編】
昨夏からの米価格上昇の背景には、農協より割高な値段を提示して買い取る「新規の卸売業者」の存在があった。さらに、「個人」で活動する“転売ヤー”も増えている。
「コロナ禍でマスクの品切れが続出した時のように、フリーマーケットサイトに米が高値で出品されている。これまで洋服やゲーム機器などを出品していた人たちが、軽い気持ちで行なっているケースも多いようです」(ITジャーナリスト)
あるフリマサイトを見てみると、ただでさえ高騰する米相場よりさらに高い、1kg5000円といった金額で米を販売する出品者が相次いでいる。東北地方のある米農家が嘆く。
「数は少ないのですが、出品者のなかには本職の米農家だろうなと思われるアカウントも散見されるんです。なかには自前で精米した米を10kg1万円で出品しているケースもありました。別にフリマサイトで販売することは違法ではないのですが、高額転売ブームに乗っかるような形は自制してほしいですね……」
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