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創刊100周年『小学一年生』

【ピッカピカの~いっちねんせい】創刊100周年の『小学一年生』CM誕生秘話「ビデオ撮影」が生み出した“ほのぼの感” 最大のピンチは「凍てついた試写会場」

『小学一年生』の歩み

『小学一年生』の歩み

「面白い子ども」を探して全国行脚

 登場してもらう「面白い子ども」を探して、僕も制作会社「太陽企画」のスタッフも全国津々浦々を巡り歩いたことは思い出深いですね。

 振り返って最大のピンチだったのは、小学館での初のCM試写会でのこと。映像が映し出された瞬間、会場がシーンと凍てついてしまったのです。

 なぜなら、それまではCMに登場する子どもといえば、優等生っぽいモデルばかりだった。ところがこのCMでは、普段着の子どもが思ったことを方言で口にしていた。それが僕たちの追求したリアリティでしたが、試写会に参加した皆さんは驚かれたのでしょう。

 当時、CMのお蔵入りは珍しいことではなかったので、その反応を見て、僕はお蔵入りを覚悟しました。すると、ある年配の役員の方が「こういうものは若い人に任せたほうがいい」と一言おっしゃった。一瞬で空気が和らぎました。あの方がいなければCMは世に出なかったでしょう。

【プロフィール】
杉山恒太郎(すぎやま・こうたろう)/1948年、東京生まれ。電通入社後、クリエイティブディレクター、プランナーとして活躍。現在、ライトパブリシティ代表取締役社長。代表作に、セブン-イレブン『セブン-イレブンいい気分』、サントリーローヤル『ランボー』シリーズなど。

取材・文/上田千春

※週刊ポスト2025年2月28日・3月7日号

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