板挟みにあえぐ「イタバサミ虫」
「ワーク」と「ライフ」を天秤にかける罪
昨今の「働き方改革」ブームで「ワークライフバランス」という言葉が言われるようになって久しい。この言葉には仕事の「ワーク」とプライベートの「ライフ」が入っており、両者のバランスが大切だというわけだ。
しかし、なぜか、このスローガンが使われる現場では、「ワーク」よりも「ライフ」のほうが優先と解釈されることがしばしば。成長意欲の強い人材には「ユルイ職場」と思われるようになる。それは、仕事にやりがいを自ら見つけ、成長のために思う存分仕事をしたいと願う優秀な人材の離職を招くことにもつながりかねない。
そもそも「ワークライフバランス」を考えようとすると、「仕事」と「プライベート」を日常から天秤にかけ、不安定なバランスの中で妥協した選択を迫られる。「モヤモヤ」とした毎日を過ごすことになり、心理的安全性を損ないかねないのが問題である。
[退治方法]「クラウド」を用いて思考する
仕事を優先するのか? プライベートを優先するのか?
イタバサミ虫が発生した職場の特効薬が「クラウド」である。クラウドといっても、各種アプリケーションをインターネット経由で利用するIT用語の「クラウド」ではない。
ここで言うクラウドとは、全体最適のマネジメント理論「TOC」を開発したエリヤフ・ゴールドラット博士が編み出した、対立する手段から両立する解決策を見つけ出す、とても便利な手法だ。
この手法は5つのハコからなる図を使う。右側の列に上下2つのハコ、中央列にも上下2つのハコ、左側の列は上下中央に1つのハコを用意する。次に、「対立」する2つの項目を右列のハコに書き出し、それぞれの手段で満たしたい要望を中央列のハコに書き出す。最後に、それら2つの要望が「両立」する共通目標を左列のハコに書き出すことで、「対立」構造を解消し「両立」を実現する解決策を見つけ出すことを可能にする。
ジレンマを解消する手法「クラウド」
今回の場合は、「仕事を優先する」と「プライベートを優先する」の対立だ。
「仕事を優先する」という手段で満たしたい要望は「仕事で成功する」こと、「プライベートを優先する」という手段で満たしたい要望は「プライベートを大切にする」ことだとする。