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「全通は諦めた」「地方公演狙い」エンタメ界で広がる“チケット転売対策強化”でファンのコンサートへの向き合い方が変化 一方で「公式から高額でも良席を売ってほしい」の声も

都内よりもチケットが当たりやすい地方公演狙い

 人気アーティストのコンサートともなれば、そもそもチケット販売の抽選に当選すること自体が難しい。仮に転売業者がいなくなったとしても、その状況が改善されない可能性もあるだろう。

 チケット不正転売禁止法が施行後、チケット売買サイトに出品するチケットが減少する裏では、それによってコンサートに対するモチベーションが変化している人もいる。とある男性アーティストのファンだという会社員のCさん(30代女性)はこう話す。

「以前はコンサートツアーの“全通”(全公演に行くこと)を目指していて、チケットは基本的にファンクラブで取りつつ、抽選に外れた公演はチケット売買サイトで買っていました。でも、チケット不正転売禁止法が施行されてからは、チケットの出品も減っているし、違法行為に加担するのも嫌なので、一切利用するのをやめたんです。

 そうなると、ファンクラブでチケットが取れなかったら、もはやチケットを手に入れることはほぼ不可能。ということは、ツアーの全通もほぼ無理。だから最近は、もはや全通を狙わず、何公演か申し込んで、そのうち1公演当たればいいかな……くらいのテンションです。いまは1回入る公演をいかに楽しむかが重要だという感覚です」

 チケット入手の競争率が低い公演を狙うようになった人もいる。ある女性アイドルグループのファンである会社員・Dさん(30代男性)は言う。

「都内に住んでいるので、基本的に都内のコンサートに申し込んでいたんですが、やっぱり競争率が高くて外れてしまうことも多い。昔は、チケット販売サイトであったり、ネットオークションでチケットを手に入れることもありましたが、いまはそういうことはせず、都内よりもチケットが当たりやすい地方公演に申し込むようにしています。

 もちろん地方公演となると交通費もかかるし、夜の公演だと東京に戻れなくなることもあるので、大変は大変ですが、ご当地のおいしいものを食べるなど、違う楽しさを見出すようにしています」

 チケットの不正転売の撲滅に向けて進んでいるなか、ファンのコンサートに対する向き合い方も少しずつ変化しているようだ。

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