「思考枠」を広げると日常の風景は非日常化する
「思考枠」も聞きなれない言葉だと思います。ひとまず、どんな範囲で思考するかなどの思考のフレームや前提といったイメージで捉えてください。これでもわかりにくいでしょうから、トップ5%の思考枠と標準的な戦略コンサルタントの思考枠に分けて図式化してみました。
標準的な戦略コンサルタントの思考枠
〈問題・課題・目標・アジェンダ→論点設定・ブレイクダウン→仮説立案→仮説検証→結論〉
これは、標準的な戦略コンサルタントなら、だいたいどんなプロジェクトでもこうした枠組みやイメージで思考するだろうという思考枠を表しています。最初に、顧客が抱える課題、検討したいテーマ、アジェンダがあります。それが出発点です。
その課題やアジェンダをそのまま唸って考えていても埒があきません。そこで最終的に解決すべき課題をアプローチ可能な小単位の論点にブレイクダウンします。大論点を下位の小論点に論理展開していくイシューツリーはその典型です。そして、小論点の問いに対して、仮説を考えられる場合は仮説を考えて、仮説の「イエス」「ノー」を検証するための調査や分析を論理的に設計し作業を進めます。すべての小論点に対して検証が進めば最終的な大論点・課題への答えも導かれるという算段です。
これ自体、間違ってはいませんし、誰しもが実行可能で着実に解に向かうアプローチです。実際、指導すれば駆け出しのコンサルタントでもある程度できるようになりますし、イシューツリーは、プロジェクトマネジャーにとってもプロジェクト全体を掌握して効率的・安定的に進捗管理ができる有効なツールです。普通の問題に正論で答えることで事足りる場合はこれだけで大丈夫です。でも、普通に正論しか出てきません。