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トップ5%の戦略コンサルが考える“思考法との向き合い方” 画期的な視点は本来わかりようもない他者の異質性をとらえることから生まれる

戦略コンサルのトップ5%だけに見える世界があるという(イメージ)

戦略コンサルのトップ5%だけに見える世界があるという(イメージ)

「戦略コンサルタント」といえば、論点思考や仮説思考など、すぐれた思考法を複数マスターしつつ専門性を極め、情報技術を使いこなす知的エリート。しかし『戦略コンサルのトップ5%だけに見えている世界』(クロスメディア・パブリッシング)を上梓した金光隆志氏は、「思考法の習得は自身を及第点にしか上げてくれない」と言う。

 なぜ思考の方法論習得だけではダメなのか、逆に何を習得すればトップ5%になれるのか──。金光氏が明らかにする。(同書より一部抜粋して再構成)【全2回の第1回】

世に溢れる思考法をマスターしてもそこそこレベルでしかない

 世の中には思考法やフレームワークがたくさん出回っています。少し挙げてみるだけでも、論点思考、仮説思考、デザイン思考、ロジカルシンキング、ピラミッドストラクチャー、ロジックツリー、フェルミ推定、戦略キャンバスなどがあります。これらは優れた思考法です。思考の生産性を高めてくれることは間違いありません。

 戦略コンサルタントの仕事では、かなりの短期間でプロフェッショナルな問題解決を行うことが求められます。思考の生産性・効率性は生命線です。だからこそ、これらの思考法が開発され教育され、実際に一定以上の効果を上げています。

 昨今はこの手の思考法の類書が数多く出版されていますし、大手企業なら企業研修などでも取り入れていて、昔に比べてはるかに普及しています。皆さんもこれらの思考法を学ぶ機会はあるでしょう。

 でもこれらは、ゴルフでたとえるなら、せいぜい100切りの技術です。ゴルフをされる方ならピンとくると思いますが、大半のプレーヤーは平均スコアが100以上で、なかなか100を切れません。したがって、100が切れたらそこそこのプレーヤーではあります。

 一方、大半のゴルファーは一度も90を切ることなく終わります。ましてや、平均80台はゴルファー全体の十数パーセント、70台となると数パーセントしかおらず、100切りレベルとは別次元です。かといって彼らは体格や運動神経に勝るわけではありません。では、何が違うのか。

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