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歩行者が自動車との“非接触事故”で怪我した場合、損害賠償請求できるのか?「ぶつかっていない」「相手の自動車を特定できていない」の2つの懸念材料をクリアする方法は【弁護士が解説】

自動車との接触がなくても損害賠償を請求できるか(イラスト/大野文彰)

自動車との接触がなくても損害賠償を請求できるか(イラスト/大野文彰)

 さまざまなケースがある交通事故。たとえば、自動車を避けようとした歩行者が転倒して怪我をした“非接触事故”の場合、歩行者が運転手に治療費などを請求することは可能なのか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【質問】
 歩道を歩いていて、自動車に接触しそうになりました。その車は、信号待ちを避け、ショートカットする目的でコンビニの駐車場を横切ってきたのですが、それに気づかなかった私は転倒し、手首と足首を捻挫しました。自動車は走り去り、ナンバーなどはわかりません。

 もし相手が判明した場合、治療費を請求できますか。また、同じ自動車かはわかりませんが、私以外にも似たような被害に遭った人がいます。警察に相談すれば対処してもらえますか。(神奈川県・54才女性・パート)

【回答】
 自動車にぶつかってけがをすると、自分から引き起こした事故でなければ、運転者や車の持ち主に対して損害賠償請求できるのは当然のことです。ただ、ご質問では次の2点が懸念材料です。

【1】ぶつかっていないこと
【2】相手の自動車を特定できていないこと

 ですが、自動車による交通事故でけがをした場合に適用される自動車損害賠償保障法(自賠法)では、「自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する」責任があると規定しています。

今回の争点は「歩道を横切った自動車の運転とけがの因果関係」
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