NECのブース(筆者撮影)
IOWNグローバルフォーラム(筆者撮影)
米政府は生成AIでの中国のキャッチアップを防ぐため生成AIに不可欠とされるエヌビディアの最先端GPU(画像処理チップ)を禁輸にしているが、ファーウェイがその穴を埋めてしまった。その技術を一目見ようと世界から人が集まった。
そこを抜けると、日本勢のブースが集まるホール2がある。最初に訪れた楽天のブースは「Open RAN(異なるメーカーの通信機器やソフトウエアを組み合わせて構築するRadio Access Network=通信ネットワーク)」を前面に打ち出し、和服姿の女性が目の前でお茶を立てるサービスで来場客を喜ばせていた。
驚いたのは、パネルディスカッションに登場した楽天モバイル、楽天シンフォニーのCEO、プレジデントのほとんどが、外国人だったことだ。登壇者で日本人は三木谷氏だけだった。「グローバル市場で戦うなら世界選抜のチームが必要」という三木谷氏の持論は、現実のものとなりつつある。
二枚目と三枚目の写真はNECとIOWNグローバルフォーラムのブース。楽天のブースは目抜き通りにあるが、こちらは人通りの少ない裏道だ。
モバイル・通信の世界は「米中のパワーゲーム」であり、日本は蚊帳の外。そんななかで楽天モバイルは気を吐いていた。
【プロフィール】
大西康之(おおにし・やすゆき)/1965年生まれ、愛知県出身。ジャーナリスト。1988年早大法卒、日本経済新聞社入社。日経新聞編集委員などを経て2016年に独立。著書に『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』(東洋経済新報社)、『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』(小学館)など。
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※週刊ポスト2025年3月28日・4月4日号