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ビジネス
増税マフィアを撃つ!

元立民代表代行・江田憲司氏が語る“財務省解体論”「“経済警察”である国税庁を独立委員会の下に置く」「予算編成権を“内閣予算局”に移管し、政治主導体制に」

税を集める権力と予算を振り分ける権力を切り離す!「財務省解体シミュレーション」

税を集める権力と予算を振り分ける権力を切り離す!「財務省解体シミュレーション」

 まずは「国税庁の分離」です。橋本行革の時、橋本総理自らが提案しましたが、大蔵省の根回しにより歴代の自民党税調会長が猛反対して一瞬で潰されたのです。当時の自民党幹部が私に「江田君、国税庁なんか分離したら政治の意向が反映できなくなるじゃないか」と言ったのをよく覚えています。

 財務省はよく、国税庁に大臣や本省が指示することはないと言います。しかし、自民党幹事長が10億円単位の政策活動費を使っていても、国税庁は課税対象だと認めながら税務調査すらしない。裏金問題も摘発しない。これこそ財務省と国税庁は一体で、査察権を政治的な思惑で差配している証左でしょう。

 国税庁は査察権を持つ、言わば「経済警察」です。警察庁が国家公安委員会の下にあるように、政治的に中立な独立行政委員会をつくって、その下に国税庁を置く。内閣から独立して査察権を行使できるようにするのです。

 また、(主計局が持つ)予算編成権を財務省から「内閣予算局」に移管する構想は、橋本行革でも検討しましたが、結局、経済財政諮問会議を創設し、予算編成の基本方針は官邸で決め、具体的な個別査定権は財務省に残した。ただ、常に、この会議と財務省との間には予算編成を巡っての主導権争いがあり、今後、あまりに財務省がこの会議まで実質的に支配するようなら、内閣予算局も検討すべきでしょう。

 憲法には予算編成権は内閣にあると書いてある。財務省にはその権限を授権しているにすぎない。組織管理の要諦は「カネと人事を握ること」。内閣人事局と相まって、官邸に内閣予算局を置けば「政治(内閣)主導の体制」が完成するのです。

 財務省の政治支配の姿勢が変わらなければ、将来的にそうした議論が進むことになるでしょう。

【プロフィール】
江田憲司(えだ・けんじ)/1956年、岡山県生まれ。立憲民主党元代表代行。東京大学法学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。橋本内閣で内閣総理大臣秘書官として、行革推進の旗振り役を務めた。立憲民主党元代表代行。

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※週刊ポスト2025年3月28日・4月4日号

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