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キャリア

【職場結婚で引き離される夫婦】大学での「雇い止め」も物議 昔の企業でもあった「いきなり海外転勤」「妻に辞めてとお願い」…感情や体裁で処遇が決まる理不尽

職場結婚で雇い止め通告を受け、記者会見を開いた女性(3月12日。写真:共同通信社)

職場結婚で雇い止め通告を受け、記者会見を開いた女性(3月12日。写真:共同通信社)

男性側が「辞めてくれ」とお願いも

 金融機関勤務の女性会社員・Hさん(50代)は、「昔は社内結婚したら、女性が退職するのが暗黙の了解だった」と述懐する。

「別に退職しなきゃいけないという決まりはないし、人事から退職してほしいという依頼があるわけではないのですが、特に女性が総合職ではなく、いわゆる一般職(事務職)だった場合、“退職するもの”という風潮があったのは事実だと思います。女性側も“結婚して退職したい”と考える人は少なくなかった」

 職場結婚に関し、特に会社で定められた退職ルールはなかったというHさんだが、「女性が外堀を埋められることはあった」という。どういうことか。

「そもそも金融は固い社風。男性も“結婚して一人前”という価値観が長らくあった業界です。さらにいえば昔は共働きが“当たり前”ではなかったんですよね。私の先輩の男性社員が職場結婚したのですが、『妻が働いているとなると“家計が苦しいのか”と思われる』とか、『妻には家にいてほしい』とかいった理由で、女性に仕事を辞めてもらった人はいました。

 その後女性は転職し、似たような金融の仕事をしていて、それなら辞める必要もなかったのにと個人的には思いましたが、結局、男性側が体裁を気にして、妻が同じ職場にいるのを嫌がったということですね」

次のページ:人事経験者は「職場は同じにしないといったことはあったが…」

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