「入金力」が資産運用にどう影響するのか(イメージ)
いまでは総資産46億円となった個人投資家・マサニーさんは、20代の頃から積立投資を実践。13年間で資産5000万円を達成した。驚異的なスピードで資産を増やしたマサニーさんは、投資方法よりも「入金力を上げる」ことに着目していたというが、どういうことか?
初級者から上級者まで、さまざまなスタイルを持つ投資家が集まる「投資家バー STOCK PICKERS」で実際に行われた話を元にまとめられた書籍『投資家バーの常連客から聞いた 投資の成功術』(酒井富士子・著、投資家バー STOCK PICKERS・監修、インプレス刊)より一部抜粋・再構成して、マサニーさんの投資哲学を紹介する。
資産1億円を達成するには「入金力」がものを言う
マサニー:入金力とは一言でいえば、「投資に回せる金額」のことさ。
──僕だったら、今は収入25万円だから……、投資に回せるお金は5万円くらい?
マサニー:その発想がまず入金力の考え方からズレているね。
──え~。言っている意味がよくわからないな~。
マサニー:普通は、収入から生活費などの支出を差し引いた残金が自由につかえるお金。それをすべて投資に回してもいいわけだよね。
──でも、友達と飲みに行ったり、洋服を買ったり、自由に使えるお金って投資にだけ使うわけではないと思うけど……。
マサニー:それじゃ、入金力が高い人間になれない=億り人にはなれないってことだな。
──つまり節約しろってこと?
マサニー:その通り! 節約をして支出を減らして自由に使えるお金をまず増やす。しかも、それを全部投資に回すんだ。贅沢は億り人になってからでもいいよね。それに、自由に使えるお金=投資に回すお金を増やすためには、収入を上げるよりも支出を下げる方がずっと簡単なんだよ。
──え~、ちょっと実感が湧かないなあ。
マサニー:僕が投資を始めた頃は会社員で月給が手取り25万円だったと言ったけど、これはたくさん残業してこの額。あの頃は寝る間も惜しんで、胃潰瘍ができるくらい働いていたな。本業の他にアルバイトをして収入を増やすなんてこともしていたよ。
──へ~、そんな時代もあったんだ。
マサニー:そんなことをしているうちに、収入を増やすよりも支出を減らす方が楽だと気づいた。月の収入を5万円増やすよりも、支出を5万円減らす方が僕には楽だったんだよね。
──う~ん。
マサニー:例えば、お給料をもらうと、そこから税金や社会保険料が引かれるよね。収入が上がれば、それだけ、引かれるお金も増えるわけだ。
──確かに。せっかく昇給したのに、税金も増えて悲しい経験が……。
マサニー:それに対して、支出を削れば、削ったお金をすべて投資に回すことができるんだよ。誰にも邪魔されない、つまり、自分の努力次第で入金力に直結するんだ。
──なるほど。収入には課税されるけど、節約には課税されない……。でも毎月カツカツで削れる支出なんてないよ~。