普通の人でも億り人になれる時代
単純計算だが、日本人の平均年収は450万円ほど、共働きの世帯年収は850万円ほどといわれる。
仮に平均年収の1割の年45万円を毎月3万7500円ずつ積立投資で、年率9%で回すと35年で1億円に達する。共働きの世帯年収の約1割の年84万円とすれば29年だ。年収の1割を投資に回すのは決して無理なことではなく、9%も全世界株式の指数(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)で過去30年の円建ての平均リターンとほぼ同じだから絵空事ではない。長期にわたって努力すれば普通の人でも十分達成可能なのだ。
日銀の統計によると、個人の金融資産の3分の2は高齢者が持っているから、ぼくの資産2億円は現役世代では上位1%に入っていると、ちょっと自慢したい。アベノミクス以降に富裕層は増えているし、2023年から大幅な株高が続いているから、現状はさらに富裕層、超富裕層の割合が増えているだろう。
平均だと惑わされやすいが、中央値という言葉がある。これは文字通り、対象の真ん中の人の数字。例えば5人の人の財産が10万円、20万円、30万円、40万円、100万円だとする。平均は40万円、中央値は5人の真ん中の30万円というわけだ。
日銀が事務局をしていた金融広報中央委員会(2024年8月から金融経済教育推進機構に事業移管)の2023年の調査では、金融資産保有額の2人以上世帯の中央値は330万円、単身世帯は100万円だった。野村総研の調査と比べると、ちょっとびっくり。
これも年代によって差があり、2人以上世帯の場合、20 代は30万円、50代は300万円、70代は700万円となっている。当たり前かもしれないが、一生懸命貯蓄をして、年を重ねるごとに増やしていったということだ。