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荻原博子氏が読み解く「消費増税再々延期」の3条件と安倍首相の心中

「トランプ大統領はこの輸出戻し税を輸出産業に対する補助金だと見なしています。米国が対日貿易赤字を抱えているのは、日本が消費税で輸出産業に補助金を出し、消費税のないアメリカで自動車など輸出品を安く売るからであって、日本はダンピング(不当廉売)しているとまでいっています」

 日本が10月から消費税率を引き上げれば、輸出産業に還付される戻し税も増えることから、「日本はまた輸出補助金を増やした」と受け止められて交渉が不利になる恐れもある。まさに最悪のタイミングでの増税なのだ。

「米国の要求を何でものむ安倍政権が、消費税は日本の輸出補助金だというトランプ大統領の主張を突っぱねて増税を実施できるとは思えません」(荻原氏)

 いずれも国政選挙直前だった2014年11月、2016年6月に続く“3匹目のドジョウ”に、安倍首相の心は揺れていることだろう。

※週刊ポスト2019年1月11日号

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