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親の介護は「在宅」か「施設」か 要介護度と金銭面を見極める判断ポイント

介護施設の「月額入居利用料」の目安

介護施設の「月額入居利用料」の目安

 多くの人が、老いていく親や実家を問題と感じている。なかでも親の「終の棲家」を自宅にするか老人ホームなどの高齢者施設にするか、悩ましく感じている人は少なくないだろう。介護アドバイザーの横井孝治さんが話す。

「自宅で介護するのも選択肢の1つですが、介護期間は長引くことが多く、数年~十数年かかることも珍しくありません。親の介護に時間を取られ、離職して収入が減れば体力的にも経済的にも負担は増す一方。そんな家族の負担を考えると、施設を利用するのは決して悪いことではありません」

 ただ、そこには金銭的な事情が絡んでくる。施設を利用する場合の平均額(全国)は月額16万円ほど。一口に老人ホームといってもさまざまな種類があり、金額もピンキリだ。親の状態と金銭面を見極めた判断が必要になる。では、高齢者施設にはどんな種類があるか。

 要介護度が低く、日常生活のほとんどを自力でこなせるようなら「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」がある。一般的な賃貸住宅に近く、安否確認と生活支援のサービスが受けられ、月額利用料は13万~25万円といったところ。

 生活全般で介護が必要な場合は、「特別養護老人ホーム(特養)」か「介護付き有料老人ホーム(有料老人ホーム)」。大きな違いは前者が社会福祉法人や自治体が運営する「公的施設」であるのに対し、後者は「民間施設」である点だ。費用面では特養の方が安いが、要介護度3以上でないと入居できず、希望者が多いため順番待ちのところも少なくない。有料老人ホームは入居条件が緩い分、利用料は15万~35万円と高めだ。

 認知症が進行しているなら「認知症対応型グループホーム」という選択肢もある。少人数で共同生活をしながらリハビリで認知症の改善を目指すには適しているだろう。

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