2019年1月、牛肉の輸入量は前年の1.4倍に拡大し、今後さらに増える予想される(財務省「貿易統計」より)。日本人好みの味が研究されたり、関税が下がったりと、どんどん身近になる輸入牛肉は今、大きな注目を集めている。
農林水産省「食料需給表」によると、日本人の1日の肉消費量は30年間で約27%も増加。お肉検定1級、バーベキュー上級インストラクターの資格を持つエバラ食品工業・宣伝企画課の田中敬二さんによると、「健康志向に伴い、高たんぱく低脂質の赤身肉が今、トレンドです」という。
そもそも、牛肉の輸入先は、今やオーストラリアやアメリカだけではない。オーストラリア(49%*)、アメリカ(43%*)で約9割を占めるが、世界的にも牛肉の消費量が多い南米諸国も注目されている(*農林水産省「平成30年統計表」より)。ウルグアイ牛は、毎日食べられるほどのヘルシーさと歯切れの良さが特徴だ。
ステーキやハンバーグが人気のチェーンレストラン『ブロンコビリー』では、解禁されたばかりのウルグアイ産牛肉の新メニューも登場している。前出・田中さんが語る。
「ニュージーランド産やサシが多くて日本人好みのカナダ産も、今後は増えると予想しています」
輸入牛肉は、1年間で関税率が11%引き下がり、輸入量も増加すると見られている。
「関税の引き下げで安くなると注目されているのが、ニュージーランド産とオーストラリア産。アメリカや他の国も、今後段階的に安くなっていく可能性があります。輸入量の拡大で、産地や部位の種類も豊富になっています」(田中さん)