今やお金は、マッキンゼー出身の柴山和久氏が創業した「ウェルスナビ」のように、ロボアドバイザーで全自動運用する時代が到来している。だが、時代遅れの地銀にはそれもできない。
では、どうすればよいのか? 地銀が生き残る方法はいくつかある。そのうちの一つは、コンサルティング業務だ。
地銀の強みは地元企業とのつながりである。帝国データバンクの調査によると、地銀は全国の5割の企業のメインバンクになっている。東北、北陸、中国、四国、九州では7~8割の企業のメインバンクだ。その関係を活用し、顧客企業のホワイトカラーの間接業務を改善して生産性を向上するコンサルティング業務をやればよい。
ただし、ティッシュぺーパーを配って定期預金を集め、抵当を取ってその7割くらいまでしか貸さない業務をやってきただけの地銀の中にコンサルティング業務ができる人材はいない。したがって、地元の税理士や会計士に協力してもらい、RPA(Robotic Process Automation/ロボットによるホワイトカラーの間接業務の自動化)の導入などを推し進める。
そうすれば、これまで貸出金利だけで食べてきた地銀が初めてフィービジネス(手数料業務)に参入することができる。しかも、それは安倍政権が強要しているほとんど意味のない「働き方改革」ではなく、日本企業にとって本当に必要な「仕事のやり方改革」につながる。このコンサルティング業務に注力すれば、地銀は地方にとってなくてはならない存在になるだろう。
※週刊ポスト2019年7月5日号