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音楽カセットテープがデジタル時代に復権中 ファンは「グッズ感覚」

 Aさんは、まずUSBでパソコンに繋いでデータ化できるタイプの小さいカセットプレイヤーを購入。それを使ってカセットテープを楽しんだ。

「以来、昔聴いて好きだったアルバムなんかのカセットテープがあると思わず買ってしまっています。カセットテープは小さくて可愛らしく、おもちゃのような感覚でついつい集めたくなるんですよね。値段はインディーズの安いものであれば1000円くらい、メジャーのアルバムだったら1500~2500円くらいで、多少の幅はあります。そのへんはアナログレコードなんかと似ているかもしれません」(Aさん)

 別の会社員男性・Bさん(40代)も、ここ最近、音楽カセットテープを買うようになったというが、実際はカセットテープ本体から音楽を聴くことはあまりないという。どういうことなのか。

「パソコンやスマホで音楽を聴くことに慣れているので、カセットテープで音楽を聴くのはちょっと面倒くさい。音質的にはカセットテープならではの“味”はありますが、必ずしも音がいいわけではない。だから、正直な話、カセットテープで音楽を聴くことはほとんどないんです(笑)。有名なアルバムであればストリーミングで聞けますし、カセットテープにダウンロードコードが同梱されている作品も多い。カセットで買っても、結局データをダウンロードして、それをパソコンで聴くということがほとんどです

 でも、裏を返せば、ダウンロードコードが付いていなかったら買わないというカセットテープもあるんですよ。音楽そのものはパソコンで聴けるという手軽さがあるからこそ、カセットテープを買えるという感覚もあります」(Bさん)

 どうやら、“音楽ソフト”というよりも、“グッズ”としての役割をカセットテープに期待しているようだ。

「何かを“コンプリートする”ということでもないので、コレクションという感覚とはちょっと違うんですが、カセットテープを所有する楽しみはとても大きいと思います。アナログレコードとも近いものはあります」(Bさん)

 音楽を聞く楽しみというよりも、所有する楽しみを与えてくれるカセットテープ。音楽ダウンロードやストリーミングが普及したからこそ、逆に注目が集まっているといえるのかもしれない。

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