中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

冷夏で米不足の懸念、SNS時代の「令和の米騒動」で何が起こるか

今年は冷夏で米不足を心配する声も出ているが…(イメージ)

 1993年、記録的な冷夏が襲ったこの年、米が不作となり、「平成の米騒動」と呼ばれる現象が起こった。日本米は不足し、その対策としてタイ米が緊急輸入されるなど、日本の食卓は大きく混乱したのだ。あれから26年。今年も冷夏になる見込みで「令和の米騒動」が起こるのではないか、と予想する声も出ている。もしSNS全盛の今、日本米不足に陥ったらどういう事態が予想されるのか、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が考察する。

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 昨年の猛暑とは一変、今年の夏は冷夏になるとの見込みが出て、ネットには「今年は冷夏で令和の米騒動?」といった書き込みも見られるようになりました。私も同様の危機感を抱いています。大学1年生だった1993年は冷夏だったため、「平成の米騒動」とも言われる事態に陥ったのです。

 米どころ・東北地方の作況指数が「56」となったほか、全国的に米が足りなくなりました。SNSの検索をしてみると、私同様、あの騒動の再来を恐れる人も案外多いことが見て取れます。平成の米騒動は1994年まで続きましたが、いったいあの騒動が何だったかを振り返るとともに、SNSが隆盛の今、米騒動が発生したらどうなるかを予想してみます。

 当時の国産ブランド米の価格は10kgで5000円ほどでした。今よりも価格は高かったのです。そして、「米の出荷落ち込む」という報道を受け、米を求める人がスーパーや米屋に殺到。国産米が軒並み売り切れとなる事態になりました。石油ショックの時にトイレットペーパーを求める人が殺到する様子が報道されたのと同様に、米に群がる人々の映像や、空っぽの棚も報じられました。

 そして「買い占め」や「売り惜しみ」も発生し、米の価格は急騰。私の記憶だと10kg=8000円が普通で、1万3000円という店もありました。

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