普段は離れて暮らしている家族が一堂に会するお盆。帰省は親子の今後についてじっくり考え、話し合う絶好の機会だ。
「うちの親はまだ大丈夫」「まだ子供に相談するタイミングではない」と準備を怠っていると、いざというときに途方に暮れる事態を招きかねない。「健康」「お金」「葬式・墓」など、チェックすべき項目は多岐にわたるが、他にもチェックすべき重要な項目として「自動車」がある。高齢ドライバーが引き起こす悲惨な交通事故が相次いでいるが、これは決して他人事ではない。
NPO法人「高齢者安全運転支援研究会」の調査によれば、高齢になると車庫入れに失敗して車を傷つけたり、通い慣れた場所への道順を忘れることが増えるという。親の運転姿や自宅の車の傷・へこみをチェックし、異常があればすぐに対策を講じたい。
また、いわゆる「振り込め詐欺」「オレオレ詐欺」の予防には「固定電話の解約」が有効だ。
警察庁が2018年8月から11月にかけてオレオレ詐欺被害者を対象に行なったアンケートによれば、犯人グループが最初に接触してきた手段は97.5%が固定電話であり、携帯電話から始まったものはわずか2.5%に留まったという。
「家に固定電話がないと不安」と考える高齢者は少なくないが、逆に固定電話が詐欺被害の温床になっている実態が見えてくる。
固定電話を常に留守番電話にしたり、自動録音装置を設置するなどの対策も広がっているが、「携帯電話のみの使用」に切り替えるのが最も効果的といえるだろう。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号