今年4月から「働き方改革関連法」が順次施行されている。「年を取ると働く場所がない」「パートはそんなに稼げない」などという話を聞くが、実際はその逆だ。
非正規社員を占める割合が多く、慢性的な人手不足に悩むサービス業や小売業などでは、働き方改革関連法が施行される前から、非正規社員によりよい環境を用意し、長く働いてもらおうと、各種制度を整備してきた会社は多い。しかし、社員と非正規社員の待遇格差をなくし、給与をアップしても、非正規社員の中には、「それほど働きたくない」という人が多いのが現状だという。
近畿圏と首都圏でスーパーマーケット「ライフ」を展開するライフコーポレーションの人事部担当者が語る。
「弊社の場合、非正規社員の年収が106万円以上になると社会保険加入義務が生じるため、給与から保険料を差し引きます。そのため多くの非正規社員は、時給が上がった分、勤務時間を減らして、トータルの収入が上がらないよう調整してしまうのです」
実際には、税金を払ってもたくさん稼いだ方が得するケースは少なくない。長い目で見れば国民年金より厚生年金の方が年金額が増えるし、病気はけがで働けなくなっても疾病手当が出るなど、制度的に優遇されているからだ。しかし現実では、その考えはまだまだ浸透しておらず、企業の人手不足は、働き方改革関連法施行後も深刻なのだという。
働いた方が得する制度を導入する企業も
こういった状況を踏まえ、働いた方が得だと思ってもらえる制度を設けた会社もある。
例えば、コーヒーショップを展開するドトールコーヒーではパートタイマーにも退職金制度を導入。また、前出のライフコーポレーションでは、非正規社員にも子供手当を支給しているのだが、いずれも社会保険の加入者が対象だ。