実際に朝から打つことで、勝率は上がるのだろうか。前出のライターはこう話す。
「店によっては、端の台に高設定を入れやすいとか、2~3台並んだ場所に高設定を入れやすいなど、“設定のクセ”というものがあるのは事実です。常連客などはそういったクセを把握したうえで高設定台を予想することで、勝率がアップすることもあるでしょう。
ただ、現実問題としては、そう簡単に結果が伴うものではない。正確にクセを見抜くには、毎日のように店のデータを調べて、それを解析しなくてはならないわけで、時間も労力も必要です。よく言われるのは、そうやって“パチプロ、スロプロ”になったとしても、時給換算すると普通にアルバイトをした方が楽だし確実、ということ。そう甘いものではありません」
イベント規制に伴い行列は縮小傾向
一方、かつては頻繁に朝から並んでパチンコやパチスロを打っていたが、最近は完全に並ばなくなったというのは、40代の男性会社員・Bさんだ。
「10年前くらいはほぼ毎週末、朝からパチンコ店に行っていました。高設定狙いをしたり、導入したばかりの新台を朝から打ったりすることもありました。でも、今はいわゆる“イベント”が規制されていて、店側も高設定を入れるようなサービスはあまりやっていない。そうなると結局低設定台ばかりのような気がして、だんだん怖くて打てなくなってくる。それで、最近はもう朝からわざわざ打ちに行くこともなくなりました」
Bさんが言う“イベント”とは、パチンコ店が何らかの事前告知をして、集客を図るもの。たとえば特定の数字を指定して「○のつく日はサービスデー」と銘打ったり、特定の機種を挙げて「今日は○○がアツイ!」などと告知をするケースなどがある。かつては多くのパチンコ店はそういったイベントを開催していたが、最近では射幸心を煽る恐れがあるとして警察当局からの指導でイベントが規制され始めている。
「かつては、通常営業時はそこまででもないのに、イベントの時だけ朝の行列ができる店なんていうケースもありました。しかし、今はイベントそのものがなくなっているので、全体的に朝の行列は縮小傾向。パチンコ店の行列は今後もどんどん減っていくことになると思います」(前出・ライター)
近頃のパチンコ、パチスロは、かつてに比べて機種そのものの射幸性が抑えられる傾向にあり、比較的気軽に楽しみやすいものが増えている。大勝利を狙って目を血走らせながら、朝からパチンコ店に並ぶような楽しみ方は、過去のものになりつつあるのかもしれない。