急速に広く浸透した背景には、PayPayの「100億円キャンペーン」や、LINE Payの「全員にあげちゃう300億円祭」といった規格外のキャンペーンがあった。それだけに10月から開始される「キャッシュレス・ポイント還元事業」でも、各QRコード決済サービスが、どのような“仕掛け”をするのか気になる人は多いだろう。
LINE Pay取締役COOの長福久弘氏は、「“利便性”“安心性”などキャッシュレスのメリットは多岐にわたりますが、まずはポイント付与など分かりやすい“利得性”をきっかけにキャッシュレスに関心を抱く人が増えることが大事。『キャッシュレス・ポイント還元事業』は、非現金決済のメリットを体感する場になるのでは」と言う。
増税分を相殺するだけでなく、場合によってはまるで減税のような体験につながる。一度メリットを享受してしまうと、もう現金決済に戻れなくなる人も出てくるだろう。事実、コード決済の利得性は極めて高く、注目しておいて損はない。
以下、「キャッシュレス・ポイント還元事業」に紐づく形で発表されている、主な各コード決済のサービス内容を紹介しよう(※9月25日時点)。
【LINE Pay】
2020年6月30日までの期間中、最大7%のポイント還元(キャッシュレス・消費者還元制度によるLINE Payボーナス付与5%または2%+LINE Pay「マイカラー」〈前月の決済総額に応じて変わる〉によるLINE Payボーナス付与0.5%~2%)。さらに、10月18日~10月31日までは、スーパーとドラッグストアの加盟店を対象に5%または10%を上乗せするキャンペーンを開催。期間中1000円相当の上限まで還元される。
【PayPay】
10月1日~11月30日まで、「まちかどペイペイ」を実施。5%還元対象店舗でPayPay(※PayPay残高またはヤフーカードで決済した場合)を利用すると、最大5%のポイントが上乗せ。合計で最大10%のポイントが還元される。ただし、1回当たりのポイント付与額の上限は1000円相当まで。また、抽選企画「PayPayチャンス」の当選金額と当選確率は変更され、25回に1回の確率で最大100円相当、100回に1回の確率で最大1000円相当のポイントが当たるように。
【Origami Pay】
10月1日~1月31日まで、「いつでもその場で3%OFF」キャンペーンを開始。金融機関口座との連携による支払いの場合、別途3%を割引する形になるので、最大8%還元される。後日付与ではなく、決済時の精算代金から還元料率分の金額が即時に還元されることが特徴。また、10月中(31日まで)に Origami で初めて支払いをした利用者の中から、抽選で1000人に50%OFFクーポン(上限500円)をプレゼントする「Origamiでキャッシュレスデビューを応援」キャンペーンも同時開催。
【楽天ペイ】
2020年6月30日までの期間中、還元対象外の店舗、フランチャイズチェーンなど2%還元対象店舗においても、楽天ペイが一部差額分を補?し「楽天ポイント」を合計5%還元。つまり、「楽天ペイ(アプリ決済)」を導入している全店舗において、楽天スーパーポイントが5%還元される形となる。ただし、事前にユーザーがポイントを受け取るにはエントリーが必要となり、エントリー期間は2019年9月12日~12月2日までとなっている。