近年、一気にキャッシュレスでの支払いが普及したのと同時に、ポイントによる還元も定着しつつある。当然、還元で得たポイント払いも一般化。使う時はタダで買い物できる感じがしてうれしいものだ。
しかし、いざレジで「ピッ」としたら響いたのは、予想外のブザー音。そして店員が困り顔で告げる「使えません」──といったトラブルも存在する。企業のポイントプログラムに詳しい「ポイ探」代表の菊地崇仁さんが言う。
「楽天カードやヤフーショッピングを使って得られるポイントは使用期間が限定されています。楽天カードでつく『楽天スーパーポイント』は1年間、ヤフーIDと未連携の『PayPayボーナスライト』はわずか60日で失効します」
そのほか、飛行機に無料で搭乗できる航空会社のマイルを集めている人も多いが、これも有効期限がある。中途半端なポイント数では引き換えられないことから、初心者は使いこなせないことが多い。
「ポイントが失効すると『くやしい』『ずるい』と思うかもしれませんが、規約上、ポイントは自分のものではなく企業のもの。使って初めて自分のものになる。また、ポイント制度自体、突然なくなっても文句を言えない。『たくさん貯めてから』などと考えず、すぐ使った方がいいのです」(菊地さん)
キャッシュレス経済に詳しい山本国際コンサルタンツ代表の山本正行さんもこう語る。
「政府のキャッシュレス還元事業は来年6月に終了する期間限定。また、ポイントで還元されるタイプの決済方法では、グッズとしか交換できないなど、端数が無駄になることもあるので注意が必要。例えばSuicaで貯まる『JREポイント』は2年で失効する。